Myanmar Coffee Project-ミャンマーコーヒープロジェクト

ミャンマーと日本、暮らしと暮らしをつなげる一杯

【MCPまめまめ日記vol.12 僕らが目指した村の名は「レーカイン」最終回】

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みなさまこんばんは。
これまで本プロジェクトが扱うコーヒーの産地レーカイン村についてシリーズでご紹介してきました。
全3話の最終回です!
ぜひご覧ください。
 
僕らが目指した村の名は「レーカイン」
■コーヒープランテーションという栽培
レーカイン村で行われているコーヒー栽培は,よく耳にするコーヒープランテーションと大きく異なります。
そもそも「プランテーション」とは,
欧米諸国の植民地であった国々が,宗主国(植民地支配をしていた国)に輸出することを目的とした作物を栽培する為に開発された大規模農園を意味します。
主な作物は,茶,コーヒー,カカオ,バナナ,サトウキビ,ゴムの木,アブラヤシなどですが
一種類の作物の生産に集中することから「モノカルチャー経済」と呼ばれます。
このような農地は,環境的に極めて単層化であり,自然環境への影響も極めて大きい。
また土壌も痩せる(または偏り)傾向にあるため施肥が必要となります。
その結果,病虫害の発生もあり,多くの農薬使用が必要となります。
農産物の市場価格変動もあり栽培農家にとっては大変な状況が生まれます。
こちらは会社が経営するプランテーション ではありませんが,
実際に北シャンのトウモロコシ栽培農家で聞いた話をご紹介します。
その一帯の農地は,見渡す限りのトウモロコシ畑です。
どうやってあんな場所まで栽培できるのか不思議に思えるほど見事な風景です。
しかしそのような風景の裏には,様々な問題がありました。
畑では,長年の栽培で年毎に土壌劣化が起こるため施肥(即効性の化成肥料)が不可欠です,
肥料を与えることで病虫害の発生も心配になるので農薬を撒きます。
せっかく育てた作物が被害にあっては,元も子もありません。
それで済めばいいのですが,必ず収穫間近になると隣国のバイヤーからの値引きが要求されます。
実際に畑での作業中,農家に一本の電話が入りました「今年は,どこも多いから要らないよ」,これはバイヤーの常套手段です。
しかし安くとも売らないことには生活できないのですから仕方ありません。
種・肥料・農薬を買って,大変な作業で育てた農産物が売れないのです。
これらは,人権問題,健康問題,環境問題などを含む大きな社会問題です。

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そのような土地利用や農業、社会のあり方に対して、一石を投じたのが
「パーマカルチャー」です。
これは、1970年代、オーストラリアを舞台としてビル・モリソン氏とデイビット・ホムグレイン氏らが提唱した
“人と自然が共存する社会をつくるためのデザイン手法”(注1)です。
今までに、欧米を中心に未来的な手法として注目・実践されてきました、
もちろん日本でも多くの方が実践されています。
昨今のコーヒーに求められている、
脱搾取作物、森林・生物多様性保全、持続可能な栽培などの「モノカルチャー経済」と逆路線を目指した、
ウーマンズハンドコーヒー、
バードフレンドリーコーヒー、
インフォレストアライアンスなども
パーマカルチャーやアグロフォレストリーを実践して実現可能な栽培手法でしょう。
しかし、実践するには一般的な大規模農園ではかなり難しそうです。  
 
■昨日のディメリットは、明日のアドバンテージ
そのような時代の流れから近年、マイクロロット・コーヒーの考え方(注2)が登場します。
それまでの「モノカルチャー経済」では、大規模栽培、単一作物大量生産、が優位とされてきたのに対して、こちらは小規栽培・少量収穫、多様性作物がむしろアドバンテージとなります。
コーヒー栽培の後発組である、レーカイン村も同様です。
彼らの暮らしには、環境に負荷をかけない土地利用、栽培手法、相互扶助や有用植物など、将来にわたり維持が可能な農業と品質を重んじる哲学があると思いました。

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現在、ミャンマーのコーヒー会社のサポートで、

レーカイン村などが有機栽培・無農薬の栽培指導を受けて素晴らしい品質のコーヒー豆の生産を目指しています。新たにゲイシャ種の栽培も試されています。

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■「暮らしと暮らし」はどこまでも続く
これからも続く品質と栽培のスキルアップは、多くの専門家のサポートがあってこそ可能となります。しかし今回の皆さんの支援は、レーカイン村の人たちにとって本当に嬉しい応援となり、彼らの暮らしと農村の維持につながります。熟成された「人と自然の共存社会」があるレーカイン村をはじめとするミャンマーの村の暮らしには、
私たちが望む未来の農業や暮らしへのヒントがあると思います。
彼らの暮らしと私たちの暮らしは、つながっているのだと実感します。
シャン州のレーカイン村と日本の皆さん.レーカイン村からチン州のライレンピー,
さらに新しい村の豊かな生活を持続させることが一杯のコーヒーから生まれることをできますように。

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コーヒーの花咲くの頃、
水田は水を湛え、
稲も樹々も青々と、
水牛たちは水場に身を横たえ、楽園のような風景が広がっているに違いありません。
次回は、瑞々しい春のレーカイン村を訪れたいと思います。
(レーカインシリーズ・おわり)

河合ツグオ(ランドスケープアーキテクト)写真・文

注1パーマ カルチャー:
 エコロジカルデザイン・環境デザイン分野の用語。
 パーマネント(永続性)+農業(アグリカルチャー)+文化(カルチャー)を組み合わせた
造語。
 自然のエコシステムを参考に、持続可能な建築や自己維持型の農業システムを取り入れ、
 社会や暮らしを変化させる総合的な考え方。
注2マイクロロット・コーヒー:
 産地の地理気候特性、生産者の栽培、精製工程の個性が感じられる、より優れた品質のコー
 ヒーを生産するために「大量生産」ではなく「少量ながら高品質」であるという考え方。

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